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2012年1月29日日曜日

書評:ジョン・ケネス・ガルブレイス著『ゆたかな社会』/ J. K. Galbraith (1998/1958) The Affluent Society. (2)


ガルブレイスの他の著作にも見られるように、彼は本書の冒頭でまず200年余に及ぶ経済学の歴史、特に影響が大きいリカード(が一番重要なようにも見受けられる)やアダム・スミス、マルサスやマルクスなどを「正統派」として取り上げ、この経済学の「正統派」の認識の射程と限界を、それらの著述の時代背景や歴史的時期から解明し、各人ともそれほど同時代の他の学者に比べて新しくないけれど、ある視点(perspective)を広めるのに大いに役立ったと断じている。だから、『ゆたかな社会』を読んでいると、アダム・スミスやマルサスよりも、リカードやマルクスがなんとなく、言及されることが多い感じがする。ここで、重要な概念が「通念」と彼が呼ぶものであって、これは学者や一般人が当たり前に思っている「常識」に近いものだろうか。つまり、科学技術の発達や生産性の飛躍的向上が経済や市場の実態を大きく変えたにもかかわらず、土地の概念が狭いヨーロッパやイギリスに限定されていた、リカードやマルサスが持っていた、人間が増えると貧農が増えるか、人間は食えなくなって死ぬという、経済学の「通念」の「暗さ」を彼は個別具体的な歴史的条件に制約されたものとして批判的に捉えている。ガルブレイスはカント的というよりはヘーゲル的なのだろう。ヘーゲル的といえば、「暗い」世界観の王様、マルクスを捉えてガルブレイスの慧眼は、マルクス主義と知識人の教条主義的関係なゆがんだ関係を冷ややかにパスしつつも、イデオロギーとしてのマルクス主義ではなく、社会科学としてのマルクスをきちんと切り出し、的確に再評価を下している。
(次回へつづく)

ジョン・ケネス・ガルブレイス著(2006/1998)『ゆたかな社会』岩波現代文庫(社会137)
J. K. Galbraith (1998/1958) The Affluent Society, Boston: Houghton Mifflin
 
渡部 淳 わたなべ まこと 総合政策・国際政策文化2期生
北海道文教大学 専任講師

2012年1月19日木曜日

書評:ジョン・ケネス・ガルブレイス著『ゆたかな社会』/ J. K. Galbraith (1998/1958) The Affluent Society. (1)

 総合政策同期の友人たち(294年入学)は、なぜ渡部がガルブレイスなのかと思うだろう。数学と経済が苦手で、経済学のテストで一緒に勉強した仲間たちが悉くAを取り、教えたはずの私がCを取るぐらい、「社会科学の中で最も科学的(数学的)」な経済は私にとっては鬼門とも呼ぶべき領域である。その後、数学と経済はだめだとこの領域に決別し、国際政治の分野に大きく舵をきったのも、人生初の一人旅をしたアジアでの衝撃的な出会いや別れとともに、実はこの総合政策1年の時のテストが影響しているのである。経済とアジア(含む日本)の女の子たちには、私はもはや全く歯が立たないと悟り、政治と国際関係を学びにイギリスに渡ったのは、総合政策を卒業した1998年、37歳の私にはすでに15年近くも前の話である。しかし、アジア金融危機の歴史的円安で激高な授業を支払ったイギリスで一番面白かった授業は、主専攻の国際関係論(International Relations)よりも、皮肉なことに副専攻の国際政治経済学(International Political Economy)のグローバル情報経済(Global Information Economy)という授業で、しかも、よりによって金融市場における格付け会社の研究をしている若手研究者によるものであった。かくして、私は数学と行き過ぎた実証主義(欧米の国際政治学の場合は数学か)を無能ゆえに切り捨てつつも、しかし市場と経済、そしてその分野を蠢く権威という問題にしばらく取り組むことになり、一昨年の国際政治学会でも今注目を集めている金融格付け会社の政治社会学的意味について考える、やや文学的な発表をさせていただいた。

そんな私が、当時のお子様な自分が読んでいたら、ずいぶんと経済(学)や社会に対する見方や考え方、そして怠惰な学習姿勢が変わっていただろうと思うのが、今日ご紹介する20世紀最大のアメリカの経済学者、いや性格には社会(科)学者と呼ぶべき、知の巨人(実際に背も大変高かったのだが)ガルブレイス、元ハーバード大学教授の書いた、この『ゆたかな社会』である。1958年に初版が出て以来、章の削除・修正や統計の入れ替えなど部分的に多数の変更が行われているものの、本人が書いているように主要な主張と議論の大枠は半世紀前から変わっていない。イギリス留学組の私がアメリカものを取り上げるのは実は珍しく、取り上げるとするとフランス人のように批判の対象として(例えば、ハンチントンの『文明の衝突』は、とてもガルブレイスと同じ大学の人間が書いたと思えないものである)ということが多いのだが、この本を読み始めた賢明な総合政策学部の学生であれば、すぐに「本当にこの本が50年前に書かれたのか?」という、その見識のアクチュアリティーに驚愕することであろう。(次回へつづく)

ジョン・ケネス・ガルブレイス著(2006/1998)『ゆたかな社会』岩波現代文庫(社会137
J. K. Galbraith (1998/1958) The Affluent Society, Boston: Houghton Mifflin

渡部 淳 わたなべ まこと 総合政策・国際政策文化2期生
北海道文教大学 専任講師

2012年1月12日木曜日

TPPとは何か?~総合政策の視点から~part.3

TPP問題では日本の自動車業界がどのような影響を受けるのか?という議論になることが多い。

それは日本の自動車業界が、
世界で初めて大量生産方式を打ち出し世界一の大国であるアメリカの産業を引っ張ってきた米自動車業界を打ち負かし、世界的に有名なブランドとして認識されるようになったからであろうか?
(今は新興勢力におされているが…)


たしかに、日本の自動車メーカーは現時点においては日本産業の中心を担う存在であると思う。
しかし、震災や超円高などでメーカーは思うようにいっていない…
そこで日本の各社は新技術や低燃費、低コストな価格帯の車を売り出し、
巻き返しを図るとともに、国際的競争力を取り戻そうとしている。


特にトヨタは12月に「プリウス」の他に「アクア」という新しいハイブリット車を販売した。
この「アクア」の販売は絶好調であり、納車まで何ヶ月も先の状態だそうだ。

ちなみに主力の「プリウス」とこの「アクア」はトヨタ系列4店の全系列併売車種なんだそう。
つまり、この両車種の売り上げはトヨタ系列4店の販売実力試験となる。

オーバーストア状態の解消に向け、トヨタがこの結果を「販売店の統廃合を進める材料」にするのは必至である。


このトヨタのように経営資源を標準化・統合し、明確なガバナンスのもとで最適化を図っていくアプローチをしなければ、日本企業は今まで以上に苦しい状態になると思う。

世界と戦える日本企業が残っていないと、
もし仮にTPP締結となった場合に日本の市場はことごとく侵食されていくのではないだろうか。

(to be continued...)
                            中央大学総合政策学部2年  松本 築

2012年1月1日日曜日

どのスマートフォンを買うのが総合政策的に正しいのか(3)


スマホに声優さんをあてよう。
去年、そんな戯言を-あるいは譫言を-吐いた気がする。

引く。
ふつうに引く。
100人ほど読者が減っただろう。

いや、別に引かれるのはいい。
それは慣れてる。
異様に人口密度が高い文化祭なのに、私の半径2mほどは女子が居なくなるとか日常茶飯事だったし。
そのくらいでへこんでどうする。

でも、総合政策的な分析手法を弄するまでもなく、このブログで100人読者が減ったら残った読者はゼロ近似を割り込んで負数である。いっそ虚数かもしれない。
虚数って・・・・・・。
想像上の数を読者数に持つブログ?
妄想の地平を切り開く二次元開拓者には、むしろ相応しいのか?

といった虚言で字数を稼ぎつつ、声優さんの話である。
iPhoneの話だからね。
いちばん好きなスマホだから、いちばん好きな声優さんをあてよう。
一番好きな声優さん。
そりゃもう、

根谷美智子さんである。

すごいよ。

何がすごいって、
よくしなるお嬢様の鞭みたいな声である。
しなやかで透明、繊細にして傲慢、
極上の物理攻撃。

あんな声の女の人に殺されるのが夢である。
殺されたい声の声優さんとしては、早見沙織さんも双璧なのだが、
早見さんの声は、どちらかというと毒殺か魔法攻撃を予感させるのだ。
私は有無を言わさぬ物理的な斬撃で殺されたいのである。

そういえば、
「ひぐらしのなく頃に」のカケラにひょっこり迷い込んだとしたら、誰に殺されたいか順に告白していくゲームというのが、私の周囲で局地的に流行ったことがある。
私は毫ほどの迷いもなく、「根谷美智子!」と宣言し失格になったが、本望である。
いや、鷹野にぶっといのでH173を注射されて、首掻き毟るのもいいけどさ。

やっぱ根谷さんでしょ。
未聴の人は人生損するから聴いとこうよ。
シーリンでも響でもナタリアでも、・・・・・・まぁ、新キューティーハニーでもなんでもいいから。
ものすごく耐性のある人なら、先生がイロイロと熱心で眠れないCDでもいいし。
あっ、そういえばゼロ魔Fはじまるけど、あれってアニエス隊長を愛でるためのコンテンツだと思うよ。ヴァリエールさんじゃなくって。

だから根谷さんで決定。
iPhoneの声優さんは、根谷さん。

で、さっそくNHKさんから借りてきたのである。
着信音とか、根谷さんの声にしてイメージを高めよう。
ってゆうか、今使ってるガラケーと使い比べてみよう。
スマホのすごいいい点とか抽出しちゃうんだもんね、

と、思いつつ3時間。
元旦から、
一人っきりの部屋で、
初老に片足突っ込み始めた中年男が。
いったい私は何をしているのだ。
めちゃくちゃ楽しいじゃないか。
初詣とか行かないでほんとよかった。混んでるだけだしな。
年賀状とか出さないでほんとよかった。どうせ返信来ないしな。

そしたら。
そしたら・・・・・・、
今使ってるガラケーの操作しやすいこと!
私は物理キーボード大好きなのである。
物理キー、超押しやすい!
iPhone片手ブラインドタッチ駄目じゃん。
単に修行が足りないだけかもしれないけど。
成功率半分以下。
半年頑張ったとしても、完璧になるイメージが沸かない。
こりゃ使いにくいわー、iPhone却下。

【結果】
第1回戦 iPhone vs. ガラケー
ガラケーの勝利

【反省点】
エア友だち起動してデルファイ法やるとこまでたどり着けなかった。
(つづく)
岡嶋 裕史,1期生